住宅では、室内の天井や壁の仕上材として、また、家具や建具の面材として木目の見える化粧合板が使われます。床に無垢のフローリングが使われることがあるように、壁や天井、家具にも無垢の木が使われることもあります。ただ、費用面、施工のしやすさ、狂いの少なさから、室内の天井や壁の仕上げに使う場合は化粧合板が使われます。
木の化粧合板とは、原木を薄く(0.2〜0.6mm程度の厚さ)削りだしたものを、下地となる合板の表面に貼った合板のことです。単に化粧合板というと、メラミン化粧合板やポリ合板なども含まれるため、木の化粧合板のことは、突板(ツキイタ)合板、練付(ネリツケ)合板と言うこともあります。
夏と冬が繰り返えされる中で年輪が生まれますが、年輪を持った木をどのように切り出すか、木取りの仕方によって、柾目(まさめ)、板目(いため)、杢目(もくめ)の違いができます。これが木目と言われるもので、樹種によっても違いがあわわれますが、表面に現れる木目の通り方やうねり方によって、3種類の独特の表情が生まれてきます。
【上図左から、柾目、板目、杢目の削りだし方】
柾目(まさめ)・・・年輪の模様が平行で均一的
板目(いため)・・・年輪の模様が曲線
杢目(もくめ)・・・年輪の模様が不規則で複雑
『木立に佇む家』では、キッチンやTVカウンター家具にバーチの杢目を使用します。
杢目(もくめ)は、大根の桂剥き(かつらむき)の方法で、年輪のある木を削り出すので、不規則で複雑な動きの年輪の模様が表面に生まれ、その優雅な表情がこの住宅のインテリアには調和すると思っています。
↑バーチ柾目(まさめ) 年輪の模様が平行で均一に通っていて、おとなしい印象
↑バーチ板目(いため) 年輪の模様が曲線で幅にも変化があり、動的な印象
↑バーチ杢目(もくめ) 年輪の模様がうねったように複雑に入っていて、面的な変化が新鮮
↑バーチ杢目(もくめ)の化粧合板(突板、ツキイタ)を使用した、『木立に佇む家』のキッチン家具。
>>木立に佇む家 竣工写真 その1
>>木立に佇む家 竣工写真 その2
>>木立に佇む家 竣工写真 その3
↑ナラ柾目の化粧合板(突板、ツキイタ)を使用した、『蕨市のコートハウス』のLDKの天井、制作キッチン、収納の建具。
>>蕨市のコートハウス 竣工写真ーその1
>>蕨市のコートハウス 竣工写真ーその2
>>蕨市のコートハウス 竣工写真ーその3
>>関連ブログ2010.7.17 シナ合板 榀合板 シナベニア
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